40代になると将来の不安や家計の補填を考えて、副業を考えたりしますよね。物価の上昇や将来の老後資金の蓄えを考えると、会社の給料だけでは心もとないのが現実です。しかし副業を始めるにあたって心配なのが、「会社にバレたらどうしよう」というリスク。
最近では政府が副業解禁を進めていますが、いまだに副業を禁止している会社もあります。禁止はしていなくても、人事評価に影響が出る可能性があるんじゃないかと心配になったりしますよね。副業解禁の企業は対策する必要がありませんので、堂々としましょう。ただ、グレーにしている企業だと、どう判断されるか分かりません。
どうせ副業をするなら、安心して副業したいものです。そこで今回は、副業が会社にバレないために押さえておくべき5つの具体的なポイントを解説します。
会社の経理を長年してきて、私自身も副業をしていますので、どうすれば会社にバレずに済むのか対策をお話しします。
副業が会社にバレる主な3つの原因
副業が会社にバレる原因はとてもシンプルで、主には3つあります。
住民税の仕組み
最も多いのが、住民税の仕組みによるものです。日本の会社員は、住民税が給与から天引きされる「特別徴収」という方法を取っています。この「特別徴収」は、重要な単語なので覚えてください。副業を始めると、副業で得た収入に応じて住民税が増えることになります。
その結果、経理が新しい年の住民税を入力する時に、「この人、去年から住民税が高くなったな」と疑われてしまいす。それで経理から理由を聞かれて、「副業をしています」と白状してバレます。
住民税の額が急に増えて、会社の経理部が不審に思うのが1つめです。
同僚や上司への発言
2つめは、同僚や上司に副業の話をしてしまうことです。「親しいから大丈夫」と思って話してしまうと、知らない間に会社全体に広まってしまうケースも少なくありません。
そんなバカなと思われるかもしれませんが、月に5万円や10万円と稼げるようになると、ついつい同僚や上司に口が滑ってしまいます。酒の席だと話としておもしろいネタになるので、お酒が入ってつい口が滑って話してしまいがちです。
そうなると、同僚や上司に妬まれて言いふらされてしまうといったことがあります。
会社では、どれほど信頼を置いた人でも副業についての話しはしないようにしましょう。
SNSでの副業活動
3つめは、SNSでの副業活動が会社の目に留まり気づかれてしまうことです。特に副業の成果をインターネット上で公表したり、自分の名前で活動していると、会社が気づく可能性が高まります。
ネット上で活動する時には、完全に別の人格として振る舞うようにしましょう。
じつは、私はこれで会社にバレました。私はXで副業の売上の報告をしていました。そのアイコンが私に似ていて、名前も本名に近いアカウント名にしていたので、上司から「これは君のアカウントではないか」と聞かれました。どうやら、女子社員が私のことをコソコソと調べていたようです。
ただ私の会社は、副業禁止規定がないのを知っていたので事実だと認めました。当然ですが、お咎めはありませんでした。そんなにフォロワーが多くないアカウントなのに、よく見つけたなと感心しました。
私の知り合いの話ですが、彼はスイーツが好きでスイーツを食べ歩き、ブログを書いて収益を上げていました。副業が禁止ではない会社でしたが、そのブログがバレて会社に居づらくなり、退職してしまったそうです。
なので、副業を隠しておく必要がある場合は、SNS上での活動は全くの別人になりましょう。
副業がバレないための具体的な対策
副業が会社にバレないようにするための、具体的な方法を説明します。
住民税の「普通徴収」を選択する
まず本業で得た給与は、年末調整で年収の額が確定して所得税が決定します。
それが終わった後に、副業で稼いだ額やらをプラスして、「確定申告」で所得税と住民税を計算します。給与以外で所得のない人は確定申告をしませんよね。追加で計算をする必要が無いので、年末調整の金額のままになるわけです。
ですが副業で所得が20万円以上ある人は、確定申告の必要があります。簡単に言えば、「給与以外にこれだけの収入がありましたよ」と、税務署に報告をするわけです。
その時に、住民税をどう収めるかを選ぶことができるようになっています。
それが、この部分です。この部分を「自分で納付」にかならず〇をします。
この自分で納付のことを、「普通徴収」といいます。これで、年末調整で確定した給料への住民税と、確定申告で確定した所得への住民税を分けて支払うことができます。
これを図解すると、
副業で稼いで確定申告をした所得の住民税は、自宅に納付書が来ますので会社にバレることはありません。
これをもし「特別徴収」に〇をしてしまうと、
ということになります。
給与と所得が合算されて、会社の特別徴収に請求がいきます。それで金額が大きくなり会社にバレるわけです。
この自分で納付に〇をすることにより、本業の給与から天引きされる住民税とは別に処理されるため、会社にバレることがなくなります。
住民税の、普通徴収と特別徴収の違いについて表にまとめました。
項目 | 普通徴収 | 特別徴収 |
納税方法 | 自分で納付書を使って納税する | 会社が給与から天引きして納付する |
支払い頻度 | 年4回(6月、8月、10月、翌年1月) | 毎月(給与支給時) |
対象者 | 個人事業主、副業収入がある人など | 主に会社員 |
会社への通知 | 会社に通知されない | 会社が手続きを行うため通知される |
住民税がバレるリスク | 低い(本業分の住民税と副業分を分けられる) | 高い(副業分の住民税が増えると経理が気づく可能性) |
手続き方法 | 自分で市区町村役場に申請し「普通徴収」を選択 | 会社が「特別徴収」を一括で申請する |
- 普通徴収
自分で住民税を納付するため、会社に知られるリスクが低いのが特徴です。ただし、申請が必要で、手続き漏れがあると「特別徴収」扱いになることがあります。 - 特別徴収
会社が給与から天引きして住民税を納める方式で、会社員は通常こちらが適用されます。副業をしている場合、この方式を継続すると住民税の増加で会社に気づかれる可能性があります。
SNSでの発信に注意
副業の成果を、SNSやブログなどで発信するのは慎重にしましょう。発信自体は良いのですが、発信者が特定されるアイコンやアカウント名などは絶対に控えておきましょう。副業に関する情報をSNSで公開しすぎると、会社にバレるリスクが大きくなります。
私は、私の物販の売上をXに投稿していました。その時に、私の顔にそっくりなアイコンを使っていたことから、私であるとバレてしまいました。たったアイコンだけですよ。そのXのアイコンは、電話番号やメールアドレスで検索されないように設定していましたし、職場では個人のLINEしか教えていないはずなのに見つけられてしまいました。
ただ、私は副業禁止でない会社だったので助かりました。それ以降はSNSでの発信は気をつけるようにしています。
同僚や上司には話さない
会社の同僚や、上司に副業の話をしないのは鉄則です。たとえ親しい同僚であっても、ちょっとした噂話が意外な方向へ広がることがあります。
特に40代になると、会社内の人間関係も複雑になってきますので、副業については誰にも話さない方が良いです。
私は本当に信頼できる前の職場の部下ひとりにだけ、話をしています。それ以外は私が副業をしていることは話していません。
ただ、アイコン騒動で何人かに知られてしまいましたけれども。
副業を会社のルールに合わせる
副業が会社の就業規則で禁止されているかどうかを、確認するのは重要です。多くの企業では副業を禁止している場合がありますが、近年では副業を解禁している企業も増えています。
とはいえ、就業規則違反になれば解雇のリスクもあるため、事前に会社の規則を確認しておくことは必須です。
もしも副業が禁止されていない場合でも、会社に迷惑をかけないよう、本業の職務上の義務をきちんと守ることが重要です。
副業の時間管理と仕事の両立
副業に熱中しすぎて、本業に支障が出るのはご法度です。
もし本業の勤務時間中に副業の仕事をすると、それは会社の懲罰対象になります。
副業の時間は、会社の業務が終わった後や週末にしっかりと確保し、本業と両立できるように計画的におこないましょう。
また過労にならないように、休息時間もきちんと確保することが必要です。
まとめ
副業は将来のキャリアや収入を増やすための大きなチャンスですが、リスクをしっかり理解し、適切な対策を取ることが必要です。この記事で紹介した5つのポイントを押さえれば、会社にバレるリスクを最小限に抑えながら安心して副業に取り組むことができます。
特に、住民税の「自分で納付(普通徴収)」やSNSでの発信管理など、ちょっとした対策が大きな違いを生むので、ぜひ実践してみてください。
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